木馬新聞

神戸のジャズ喫茶木馬の愛想も上々新聞です

木馬マスター

違うお国柄 「ストライキ」木馬マスター

パリ在住の友人と8区にあるブロカント屋へ。タクシーが手っ取り早いということで乗ったら途中でデモに出会った。コンコルド広場から東方面はデモの人たちがびっしり、車はびくともしない。運転手は私たちに何かを言いながら煙草をふかす。「この国は、デモ…

店主の私ごとのこと「ダ・ヴィンチが言った」

「食欲がないのに 食べても健康に悪い」とあのダ・ヴィンチは言う。見たい番組もないのにだらだらテレビを見てしまう。ダ・ヴィンチの言葉と どこか同じことが言える。限られた24時間の幾らかを削ってしまうようなものだ。時は金より大事ということを気づ…

私ごとのこと 「哲さんの夢飛行」/ 木馬マスター

—パリ16区、ラ・フォンテーヌ街にある赤い扉のカフェ。ウェールズの緑のパッチワークの大丘陵。夕暮れのベネツィア、サンマルコ広場の弦楽カルテット。グラス片手に男たちは、哲さんの話に聞きほれ、まだ見ぬ異国を思い描いていた。ところがある日、哲さん…

違うお国柄 「ストライキ」

パリ在住の友人と8区にあるブロカント屋へ。タクシーが手っ取り早いということで乗ったら途中でデモに出会った。コンコルド広場から東方面はデモの人たちがびっしり、車はびくともしない。運転手は私たちに何かを言いながら煙草をふかす。「この国は、デモ…

北アルプス紀行 / 木馬店主

垂直に近い岩場に鎖と鉄ハシゴ。最後のハシゴを登ると山頂だが、その手前の岩場で背中に括りつけたピッケルが岩に引っ掛った。弾みで保っていた三点支持のバランスが崩れ咄嗟に左手一本で全体重を支える、その瞬間自身の過去の全てが走馬灯のように駆け巡っ…

店主のエッセイ 『不在の行方』

ずっと昔の「木馬」は、生田神社の第一鳥居付近のビルの地下にあった。あれから木馬も42年になる。もうすぐ新しい年号になるが、今振り返ると良き昭和の時代でもあった。 ほの暗い店は大音量でジャズが流れ、紫煙がたちこめて店内の照明が霞むぐらいだった…

『私につきまとう二つの映画 / ルイ・マルとルルーシュ』

フランスでは映画が「第7の芸術」と言われるほどに、芸術作品として取り組む意欲が強いのか、作家も監督も娯楽性よりも芸術色を重んじるようだ。それで時おり小難しいものや、とても難解なものに出くわし、突放された気分にされることもある。 例えば、若い…