「鉄さん、どうしたん?うずくまって。」
「ああ、銅さん、昨夜から肩から腰にかけて痛くてなんか背中に鉄板入ってるみたいで。そういう銅さんも顔真っ赤やでえ。」
「わてもなあ最近肌の調子が悪うてなあ、もうザラザラでなおらへん。」
「おたがい働き過ぎかなあ。」
「そうやで、疲れてるんやで。」
ああ、金属疲労・・・
「サボテンさん、この椅子ちょっと借りていい?今からお客さんくるねん。」
「ええよ、ええよベンジャミンさん、そんなんもう誰の椅子ゆうわけでもないんやし。そう言えばベンジャミンさんにこないだの飲み会のお金出してもらいっぱなしやったわ。えらいこっちゃ、はよ返さんとなあ。」
「なにゆうてんの、サボテンさん、たったの1800円やんか、あんなんもうよろし。」
「もうよろしっていっつもあんたにおごってもうてばっかしやんかあ。」
「いっつもおごってくれてはんのはセロームはんです。うちやおまへん。あ、バンダナスはん、来はった。」
「えらいすんません、今そこで車停めようおもてバックさせたら、サボテンさんとこの塀にぶつけてバリバリいわせてしもたわ、いまちょっと修理の人呼びまっさかいに。」
「かましまへんて、塀くらい壊れる時には壊れますって。」
「いや、そんなんいうても・・・」かましまへんて、もうぼちぼち崩れるやろとおもてたところやし。
「そうでっかあ、あははは・・・」
かんよう植物というのはこういうのを言うのだろうか。
上海太郎
劇作家・パントマイマー・俳優